
装置仕様
| マイクロ波出力 | 0.1~6kW |
| 炉内圧力 | 0.2~95kpa(1.5~712torr) |
| 加熱炉寸法 | Φ1100mm×直胴部1000mm |
| ターンテーブル | φ800mm |
5kWマイクロ波ドラム式加熱装置の特長
減圧下での低温乾燥
最大の特徴は、炉内を減圧する(真空状態にする)ことができる点です。圧力を下げることで、水の沸点も劇的に下がります。
例えば、4 kPaまで減圧すると、水の沸点は約30℃になります。これは、通常の気圧下で水が沸騰する100℃に比べて、はるかに低い温度での乾燥が可能になることを意味します。
マイクロ波による内部からの加熱
減圧された炉内で、マイクロ波加熱を行います。マイクロ波は、ワーク(加熱対象物)に含まれる水分などの誘電体分子を直接振動させて発熱させる「誘電加熱」の原理を利用しています。
これにより、ワークの内部から均一かつ効率的に水分を蒸発させることができます。
装置の主なスペック
マイクロ波出力: 0.1kWから6.0kWまで調整可能で、幅広い加熱条件に対応できます。
炉内容積: 1㎥という十分なスペースがあり、様々なサイズのワークの実験が行えます。
想定圧力: 最低0.2kPaまで減圧可能で、水の沸点をより低く設定できます。
主な実験は4kPa(水の沸点約30℃)を想定しています。
その他: ターンテーブルとスタラー(撹拌羽根)の併用が可能であり、ワークの均一加熱を促進します。また、ワーク温度の測定機能も備わっています。
活用するメリット
1. 低温での高速乾燥
減圧下で水の沸点が下がるため、熱に弱い物質や香成分を保持したい物質でも低温での乾燥が可能です。
さらに、マイクロ波による内部加熱が加わることで、短時間で効率的に水分を除去できます。これにより、熱劣化を最小限に抑えつつ、乾燥時間を大幅に短縮できます。
2. 品質の保持と向上
低温での乾燥は、ワークの変色、変質、成分破壊を防ぎ、本来の品質や機能性を保持しやすくします。
特に医薬品、食品、化粧品などの分野で、高品質な製品製造に貢献します。
3. エネルギー効率の向上
マイクロ波加熱は、熱媒体(空気など)を介さずに直接ワークを加熱するため、熱のロスが少なく、非常に高いエネルギー効率を持ちます。
真空状態は熱の対流による損失も抑えるため、全体として省エネルギーなプロセスを実現します。